117B40

70歳の男性。肺炎で入院加療を受けている。肺炎が治癒したため、自宅に退院予定であった。担当医が早朝に診察するために病室に入ったところ、点滴チューブの結合部が外れ、床面に逆流した血液が溜まっているのを発見した。患者の状態を確認したところ、既に患者の下顎に死後硬直を認め、死亡確認を行った。
この状況で次に行うべき適切な対応はどれか。
清掃の指示
異状死の届出
保健所へ連絡
病理解剖の依頼
死亡診断書の記載

解答: b

117B40の解説

【プロセス】
①肺炎で入院
②肺炎が治癒したため、自宅に退院予定
③点滴チューブの結合部が外れ、床面に逆流した血液が溜まっている
④死亡確認
☞①②の流れから、③④は予想がつかない(肺炎の悪化による死亡とは考えにくい)。これは異状死である。24時間以内に所轄警察署に届け出る必要がある。

【選択肢考察】
a 所轄警察署に届け出をすると、警察官が検視にやってくる。状況を保存するため、清掃はしないで待っていたほうがよい。
b 正しい。上記の通り。なお、本事項を規定する医師法第21条には古くから論争があり、今回も後日2023年11月13日「精確な医師法21条解釈の周知と第117回医師国家試験における不適切問題に対する速やかな対応の要望について」という書面が一般社団法人全国医師連盟から発信され、本問には正解が無いという物言いがついている。が、正答率97%の必修問題に物言いも何もなかろうというのが個人的な意見だ。試験本番では無心にbを選ぶ以外の選択肢はない。本件につき興味のある方は各自インターネットで検索してほしいが、そんな時間があるならもう1問でも多く問題を解く、などして試験本番での得点力upに努めたほうが有意義な時間の使い方に思う。
c 保健所への届出義務はない。
d 病理解剖の対象は病死。異状死ではない。
e 現時点では死因が不明なため、書類の発行はできない。

正答率:97%

テーマ:患者の死亡後に行うべき対応

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