67歳の男性。腹部膨満感、右季肋部痛およびふらつきを主訴に来院した。半年以上前から右季肋部痛を自覚していたが、3か月前から痛みが増強するとともに腹部膨満感が出現、1か月前から黒色の軟便が見られるようになり、2週間前からふらつきが強まった。ここ3か月で体重が5kg減少している。意識は清明だが、問診の意味が把握しにくいようで、聴覚障害と軽度の知的障害が疑われる。身長154cm、体重53kg。体温35.9℃。脈拍84/分、整。血圧112/72mmHg。呼吸数13/分。眼瞼結膜は蒼白で眼球結膜に軽度黄染を認める。腹部は膨満しており、波動を認める。両下腿に強い浮腫を認める。一人暮らしで身寄りがなく、生活保護を受けている。民生委員が同伴で受診しており、問診の際も民生委員を介して聞き取りを行ったが、生活状況などについて十分な情報が聴取できない。
まず取るべき対応で正しいのはどれか。
医師が患者に代わって診療方針を決定する。
診療方針について患者本人に説明し意向を聞く。
民生委員を成年後見人とみなして診療方針について相談する。
患者本人の意思決定困難を理由にこれ以上の検査治療を行わない。
医学的検査の結果に基づき、客観的に治療の適否や内容を決定する。