117B37

18歳の女子。呼吸困難を主訴に救急外来を受診した。通学途中に満員のバスの中で急に息苦しく、呼吸が促迫になった。パニック障害で自宅近くの診療所に通院しているが、それ以外の基礎疾患はない。意識は清明。体温36.8℃。脈拍104/分、整。血圧112/72mmHg。呼吸数48/分。SpO2 100%(room air)。頸静脈の怒張を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めない。四肢にチアノーゼを認めない。患者は「息ができない。手の指先と口の周囲が痺れる」と言っている。
この患者に救急外来で行う対応として正しいのはどれか。
抗精神病薬を内服させる。
そのまま学校に行かせる。
低流量酸素を吸入させる。
紙袋を口につけて呼吸させる。
ゆっくり呼吸するように指導する。

解答: e

117B37の解説

【プロセス】
①18歳の女子
②通学途中に満員のバスの中で急に息苦しく、呼吸促迫(呼吸数48/分)
③パニック障害で自宅近くの診療所に通院中
④「息ができない。手の指先と口の周囲が痺れる」と言っている
☞③を背景とした過換気症候群。①の背景や②④の症状も矛盾しない。

【選択肢考察】
a 抗精神病薬は統合失調症などに有効。
b 「息ができない」と訴える患者をそのまま学校に行かせるのは酷だろう。
c CO2ナルコーシスが危惧される低酸素血症の患者への対応。
d ペーパーバッグ法と呼ばれ、昔は過換気症候群に対して行われていた。が、現在は非推奨となっている。
e 正しい。機能的病態であり、ゆっくり呼吸するように指導するのが第一である。

正答率:88%

テーマ:過換気症候群への対応

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