117A70

生後1時間の男児。在胎30週、体重1,200g、Apgarスコア6点(1分)、8点(5分)で出生した。母親は28歳の初産婦。胎児心拍数陣痛図で遅発一過性徐脈を認めたため、緊急帝王切開が行われた。出生後、第1呼吸を認めたが、蘇生台で処置中に浅い呼吸を認めるようになり、NICU内の哺育器に収容した。体温36.5℃。心拍数148/分、整。呼吸数90/分。SpO2 97%(哺育器内の酸素濃度30%)。心音に異常を認めない。呼吸音は左右差なく肺胞呼吸音を聴取する。胸骨上窩と季肋下とに陥没呼吸を認める。胃液を用いて検査を行ったところ、結果は「zero」であった。検査の際に用いた器具の写真を別に示す。
検査結果を踏まえた対応として適切なのはどれか。
胃洗浄
抗菌薬投与
インドメタシン投与
デキサメタゾン投与
肺サーファクタント気管内投与

解答: e

117A70の解説

【プロセス】
①生後1時間の男児
②在胎30週、体重1,200g(早産・極低出生体重児)
③胸骨上窩と季肋下とに陥没呼吸
④胃液を用いて検査を行ったところ、結果は「zero」
⑤検査の際に用いた器具の写真から④はマイクロバブルテストとわかる
☞④⑤より肺サーファクタントが欠乏していると分かる。①②に呼吸不全徴候(③)がみられており、呼吸窮迫症候群〈RDS〉と判断する。

【選択肢考察】
a 中毒性物質の接種後1時間以内を目安に行われる。
b 細菌感染症に対して有効。
c 動脈管を閉鎖させるために用いられる。
d デキサメタゾンは副腎皮質ステロイドであり、34週未満の早産が予想される際に肺成熟を促すために使用される。本症例ではすでに分娩が完了しており、無効。
e  正しい。不足している要素である肺サーファクタントを気管内投与する。

正答率:99%

テーマ:新生児呼吸窮迫症候群〈IRDS〉への対応

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