117A41

52歳の女性。呼吸困難を主訴に来院した。3か月前から呼吸困難が出現し自宅近くの診療所を受診して胸部エックス線撮影を施行されたが異常は指摘されなかった。喘息と診断され加療を受けたが改善せず、最近は徐々に呼吸困難が強くなっていると感じている。体温36.8℃。血圧118/64mmHg。呼吸数24/分。SpO2 94%(room air)。胸部単純CTを別に示す。
この患者で聴取される呼吸音として最も可能性が高いのはどれか。
stridor
wheezes
friction rub
fine crackles
coarse crackles

解答: a

117A41の解説

【プロセス】
①3か月前から呼吸困難
②胸部単純CTにて気管内に腫瘍を疑う像
☞中枢気道が狭窄している際に聴取が予想される呼吸音を選ぶ。

【選択肢考察】
a 正しい。stridorは中枢気道狭窄時に聴取される。
b wheezesは気管支喘息などで聴取される。「喘息と診断され加療を受けたが」という本文中の表記はいわば誤診であり、実際には喘息ではないため、wheezesは聴取されない。
c friction rubは摩擦音。pleural 〜で胸膜摩擦音、pericardial 〜で心膜摩擦音である。
d fine cracklesは間質性肺炎などで聴取される。
e coarse cracklesは肺水腫などで聴取される。

正答率:73%

テーマ:気管腫瘍で聴取される呼吸音

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