117A37

60歳の女性。皮疹を主訴に来院した。1年前から右肩甲部に皮疹が出現し徐々に拡大してきた。痒みや痛みはない。右肩甲部に約2cmの境界明瞭で平坦な淡褐色結節を認める。血液所見と血液生化学所見とに異常を認めない。胸腹部造影CTで明らかな転移を認めない。生検で病理診断を行った後、結節を辺縁から5mm離して切除した。術前の右肩甲部の写真(A)と摘出組織のH-E染色標本(B)とを別に示す。H-E染色標本で切除断端に病変はなかった。
切除後の対応で適切なのはどれか。
拡大切除
経過観察
電子線照射
PUVA療法
薬物による抗癌治療

解答: b

117A37の解説

【プロセス】
①1年前から右肩甲部に皮疹が出現し徐々に拡大
②右肩甲部に約2cmの境界明瞭で平坦な淡褐色結節(画像Aで実際に示されている)
③胸腹部造影CTで明らかな転移を認めない
④結節を辺縁から5mm離して切除
⑤摘出組織のH-E染色標本(B)では腫瘍細胞の柵状配列
⑥H-E染色標本で切除断端に病変なし
☞①②⑤より基底細胞癌を考えたい。④⑥より完全に取り切れたと分かり、③より転移もないことから追加治療は不要である。よって、経過観察とする。

正答率:92%

テーマ:基底細胞癌の切除後の対応

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