116F66

【プロセス】
前問⑧で示したように、僧帽弁後尖に線維状の構造物は断裂した腱索である。ゆえに、腱索断裂により僧帽弁閉鎖不全症〈MR〉を呈したものと考えられる。

【選択肢考察】
ａ　正しい。上記の通り。
ｂ　乳頭筋断裂もMRの原因とはなるが、「線維状の構造物」ではない。なお、乳頭筋断裂は急性心筋梗塞〈AMI〉の合併症として多い。
ｃ　本患者は高血圧症を指摘されており、動脈硬化症が存在する可能性は高い。しかしながら、動脈硬化症自体がMRの直接的な原因とはならない。
ｄ　僧帽弁逸脱症〈MVP〉の原因となる。しかしながら本患者には高身長やクモ状指趾といった身体的特徴の記載がなく、考えにくい。
ｅ　感染性心内膜炎〈IE〉も弁破壊の原因となるが、本患者には発熱がみられておらず、否定的。