116F49

66歳の女性。労作時の前胸部不快感を主訴に来院した。10年前から高血圧症、糖尿病で定期的に通院加療を受けている。2か月前から、朝6時ごろのゴミ出しの時に胸部不快感を自覚することが数回あったため来院した。来院時の心電図は完全右脚ブロックで以前と変化はなかった。トレッドミル負荷心電図検査では目標心拍数に達したが、十分な判定ができる所見は得られなかった。冠動脈造影検査で、左前下行枝に50~75%程度の狭窄病変を認めた。矢印は病変部を示す。血行再建術の適応と考えられた。

心筋虚血の有無を評価するために適切な検査はどれか。

Holter心電図
FDG-PET検査
Master 2階段法
MIBG心筋シンチグラフィ
運動負荷タリウム心筋シンチグラフィ

解答: e

116F49の解説

【プロセス】
①労作時の前胸部不快感
②高血圧症、糖尿病の背景
③冠動脈造影検査で左前下行枝に50~75%程度の狭窄病変
④画像にて矢印が付された部分は前下行枝〈LAD〉であり、③の記載を裏付ける
☞②は冠危険因子。①③④より労作性狭心症の診断。

【選択肢考察】
a 外来にて拾い上げることが困難な不整脈などを確認できる。
b 悪性腫瘍等の全身への広がりを評価できる。
c すでにトレッドミル負荷心電図検査は実施されており、同じく運動負荷をかける検査であるMaster 2階段法の実施意義に乏しい。
d 心臓交感神経機能を評価できる。Parkinson病やLewy小体型認知症〈DLB〉に有効。
e 正しい。虚血に陥っている心筋部位を描出することで、心筋虚血の有無を評価可能。

正答率:74%

テーマ:心筋虚血の有無を評価するために適切な検査

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