116F47

79歳の男性。肺がん検診で胸部異常陰影を指摘され来院した。昨年の検診では異常は指摘されず、自覚症状はない。精査の結果、臨床病期IA期の左下葉肺腺癌と診断された。最大腫瘍径は2.0cmであった。本人の希望で放射線治療を行うこととした。胸部CTを別に示す。

治療に伴う合併症として考えられるのはどれか。

肺炎
心肥大
乳び胸
上肢浮腫
反回神経麻痺

解答: a

116F47の解説

【プロセス】
①肺がん検診で胸部異常陰影を指摘
②精査の結果、臨床病期IA期の左下葉肺腺癌と診断
③本人の希望で放射線治療を行う
④胸部CTにて左下葉に結節病変
☞③で示された部位に放射線を照射した際、どのような合併症が考えられるかを問う、呼吸器のみならず放射線科的側面ももつ問題。

【選択肢考察】
a 正しい。放射線肺炎が予想される。
b 画像上、結節と心は離れており、心への照射は回避可能。
c 画像上、結節と胸管は離れており、リンパ管障害による乳び胸は考えにくい。
d 画像上、結節と上肢への脈管の走行部位(鎖骨上〜縦隔上部)は離れており、考えにくい。
e 反回神経はより尾側に位置する左でも大動脈弓レベルで反回する。本画像でみられている結節はさらにその尾側であり、障害は考えにくい。

正答率:98%

テーマ:肺癌の放射線治療に伴う合併症

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし