116F43

34歳の女性(2妊1産)。妊娠39週5日に陣痛発来のため入院した。これまでの妊娠経過に異常を認めない。第1子を2年前に正常経腟分娩している。入院時、胎児心拍を母体の左下腹部で聴取する。内診で、子宮口開大度5cm、展退度70%、下降度はSP −2cm、先進部は小泉門で3時方向、矢状縫合は骨盤横径に一致していた。入院から5時間後に子宮口は全開大し、その10分後に自然破水した。羊水混濁は認めない。この時点で、先進部は小泉門で12時方向、矢状縫合は骨盤縦径に一致していた。

正しいのはどれか。

第2回旋の異常である。
産瘤は右頭頂骨後部にできる。
骨重積は右頭頂骨が左頭頂骨の下になる。
第4回旋で児の顔面は母体の左側へ向く。
体幹娩出時に左側の肩甲が先に娩出される。

解答: b

116F43の解説

【プロセス】
①妊娠39週・陣痛発来
②先進部は小泉門で3時方向、矢状縫合は骨盤横径に一致
③10分後、先進部は小泉門で12時方向、矢状縫合は骨盤縦径に一致
☞②より第一後頭位。③より第2回旋の向き(前方回旋)も正常で、第一前方後頭位と分かる。

【選択肢考察】
a 第2回旋は正常に完了している。
b 正しい。産瘤は第一頭位にて右、第二頭位にて左にできる。形成部位は先進部の横であるため、後頭位である今、頭頂骨部にみられる。
c 骨重積は第2回旋前に母体腹側にあった頭頂骨が上、尾側にあった頭頂骨が下となる。今回は第一頭位であるため、腹側にあった右頭頂骨が上になる。
d 第4回旋のイメージは第2回旋の逆。今、第2回旋で児の顔面は母体の右側から尾側へ向いたため、今度は逆で尾側から右側へ向く。
e 母体腹側の肩甲から先に娩出される。今、母体腹側にあるのは右肩甲であるため、こちらが先に娩出される。

正答率:78%

テーマ:正常分娩における周産期の状況判断

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