116E31

75歳の男性。一人暮らし。3か月前に肺癌と診断され、肺内転移、骨転移を認めた。家で穏やかに過ごしたいという本人の希望で在宅療養している。自宅で最期を迎えることを希望している。2週間前からはほぼ寝たきりでトイレに行くこともできず、訪問看護サービスとホームヘルパーの訪問を受けている。5日前から腰痛が出現し、訪問診療の医師が薬物療法を行ったが腰痛が悪化している。本日、医師が診療に訪れた際に患者が「もう今日で死なせてください」と強く訴えた。

本日の訴えに対する医師の対応として正しいのはどれか。

「そんなことを言わずに頑張りましょう」
「今すぐ安らかに旅立つお手伝いをします」
「すぐにホスピスへの入院を検討しましょう」
「末期肺癌の根治的治療法がありますので安心してください」
「なぜそのようなお気持ちになったのか、お話し下さいますか」

解答: e

116E31の解説

【プロセス】
①肺癌の肺内転移、骨転移
②家で穏やかに過ごしたいという本人の希望
③5日前から腰痛が悪化
④「もう今日で死なせてください」と強く訴えた
☞癌の終末期。必修問題らしい出題であり、さすがに正答率は100%。

【選択肢考察】
a ④からはうつ状態に至っていると考えられる。うつ状態の患者に励ましは★禁忌★。
b 安楽死の幇助に該当し、★禁忌★。
c ②に反する。
d 末期肺癌の根治的治療法は現在の医療では存在しない。虚偽の内容であり、★禁忌★。
e 正しい。まず患者の話に傾聴し、その後共感することが重要である。

正答率:99%

テーマ:希死観念のある高齢者に対する医師の対応

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