116E27

60歳の男性。動悸と眼前暗黒感を主訴に来院した。体温36.0℃。脈拍32/分、不整。血圧82/50mmHg。呼吸数14/分。SpO2 98%(room air)。

病態と関連する可能性が最も高い検査所見はどれか。

Na 130mEq/L
K 7.0mEq/L
Cl 92mEq/L
Ca 8.0mg/dL
P 5.0mg/dL

解答: b

116E27の解説

【プロセス】
①動悸と眼前暗黒感
②脈拍32/分、不整
③血圧82/50mmHg
☞②より徐脈性不整脈と分かる。これにより心拍出が低下し、①や③がみられていると考えられる。選択肢を見るに、電解質異常による徐脈がテーマとなっているようだ。正解選択肢以外、基準値の逸脱がわずかであり、実際の自覚症状はほとんど無いと思われる。電解質異常と不整脈についての知識があやふやだったとしても「最もパニック値っぽいもの」を選べば正解するようにできている良心的出題。

【選択肢考察】
a 低ナトリウム血症で特徴的な徐脈性不整脈の出現は知られていない。
b 正しい。高カリウム血症である。徐脈性不整脈の原因となる。
c 低クロール血症で特徴的な徐脈性不整脈の出現は知られていない。
d 可能であればアルブミンの値も同時に提示してほしいところであるが、補正不要と考えて話を進める。低カルシウム血症ではQT延長症候群の原因となる。QT延長症候群は多形性心室頻拍〈TdP〉、さらには心室細動〈VF〉に至る危険性がある。しかしながら、これらは頻脈性不整脈であり、徐脈は呈さない。
e 高リン血症で特徴的な徐脈性不整脈の出現は知られていない。

正答率:84%

テーマ:徐脈の原因となる電解質異常

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