116E26

76歳の男性。失神を主訴に来院した。2年前に持続性心房細動と診断され、抗凝固薬が開始されている。その他の投薬はされていない。最近1か月の間に2度失神して、顔面を強打するというエピソードがあった。Holter心電図を施行したところ、最大心拍数112/分であり、ふらつきを伴う最大6.4秒のR-R間隔を認めた。

適切な方針はどれか。

β遮断薬投与
Holter心電図の再検
イソプロテレノール投与
心臓ペースメーカー植込み
植込み型除細動器〈ICD〉植込み

解答: d

116E26の解説

【プロセス】
①2年前に持続性心房細動〈AF〉と診断され、抗凝固薬療法中
②最近1か月の間に2度失神して、顔面を強打
③Holter心電図にて最大心拍数112/分、ふらつきを伴う最大6.4秒のR-R間隔
☞③より、頻脈に伴う徐脈がみられている。①のエピソードと合わせ、洞不全症候群(徐脈頻脈症候群)が考えやすい。徐脈による脳血流低下で②に至っているのだろう。

【選択肢考察】
a 徐脈が悪化するため、★禁忌★。
b Holter心電図ではすでに有意な結果が出ており、再検の必要はない。
c β刺激薬。洞不全症候群の緊急時には使うことがあるも、外来で対応している現時点で徐脈の存在はなさそうなので、さしあたり不要。
d 正しい。洞不全症候群では失神などの有症状時、心臓ペースメーカー植込みの適応となる。
e 心室細動〈VF〉など致死的な頻脈性不整脈に対する適応。

正答率:75%

テーマ:洞不全症候群(徐脈頻脈症候群)への対応

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