116D59

19歳の男性。スポーツの試合中に頭部を打撲し、意識障害を主訴に試合会場の当番医師とともに車で来院した。受傷直後から数分間は意識がなく、当番医師の初診時の意識レベルはJCS I-3、救急外来受診時(受傷後30分)はJCS I-1であった。体温36.6℃。血圧120/80mmHg。脈拍70/分、整。呼吸数14/分。SpO2 99%(room air)。瞳孔は両側径3mm、対光反射は両側ともに迅速である。軽度の頭痛とめまいはあるが、悪心や嘔吐はない。試合中から救急外来を受診するまでの記憶がないという。頭部エックス線写真および頭部単純CTに異常を認めない。

今後、スポーツ復帰の方針として適切なのはどれか。

速やかに試合へ復帰させる。
受傷後3時間の経過をみて試合に復帰させる。
受傷後12時間の経過をみて試合に復帰させる。
種別ごとの復帰プログラムに基づいて段階的に復帰させる。
今後、同一のスポーツへの復帰はさせない。

解答: d

116D59の解説

【プロセス】
①スポーツの試合中に頭部を打撲
②意識障害
③受傷後30分時点でJCS I-1
④試合中から救急外来を受診するまでの記憶がない
☞①②より脳震盪が考えやすい。③より現時点では一安心のようだ。脳震盪では④のような外傷性健忘を伴うことがある。スポーツ脳震盪後、当日は当然として、自覚症状が完全に消失するまではプレー復帰禁止とするべき。症状消失後、種別ごとの復帰プログラムに基づいて段階的に復帰させる。

正答率:74%

テーマ:スポーツ脳振盪〈SRC〉後のスポーツ復帰の方針

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