116D58

22歳の女性。発熱と咽頭痛を主訴に来院した。1週間前から咽頭痛があり、鎮痛薬を内服しても治まらず、水分を充分に摂取できないため受診した。両側の口蓋扁桃に白苔の付着を認め、両側の後頸部に圧痛を伴う複数のリンパ節腫大を認める。体温37.8℃。血液所見:白血球11,000(桿状好中球18%、分葉好中球22%、好酸球1%、好塩基球1%、単球3%、リンパ球49%、異型リンパ球6%)。血液生化学所見:AST 105U/L、ALT 125U/L。CRP 10mg/dL。

この患者への対応として適切なのはどれか。

補液
口蓋扁桃摘出術
ペニシリンの投与
抗ウイルス薬の投与
抗アレルギー薬の投与

解答: a

116D58の解説

【プロセス】
①22歳の女性
②1週間前から咽頭痛
③水分を充分に摂取できない
④両側の口蓋扁桃に白苔の付着
⑤両側の後頸部に圧痛を伴う複数のリンパ節腫大
⑥異型リンパ球6%
☞①②より若年者の咽頭痛である。③から症状が強いことが読み取れる。④〜⑥は伝染性単核球症〈IM〉でみられやすい所見である。

【選択肢考察】
a 正しい。③より脱水に至っている可能性が高い。そのため、補液が望ましい。
b 慢性扁桃炎への対応。
c IMへのペニシリン投与は皮疹を惹起ないし増悪させる危険性があるため★禁忌★。
d IMの原因であるEBウイルスには特異的な抗ウイルス薬が存在しない。
e アレルギー機序による病態ではないため無効。

正答率:98%

テーマ:伝染性単核球症〈IM〉への対応

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