116D46

72歳の男性。突然の激しい頭痛と急激な両側の視力低下を主訴に来院した。意識は清明。身長169cm、体重69kg。体温36.8℃。脈拍80/分、整。血圧154/92mmHg。四肢麻痺はない。頭部単純CTの冠状断像(A)と矢状断像(B)を示す。

適切な治療はどれか。

血管内治療
減圧開頭術
経蝶形骨洞手術
開頭クリッピング術
腰椎(髄液持続)ドレナージ

解答: c

116D46の解説

【プロセス】
①突然の激しい頭痛と急激な両側の視力低下
②頭部単純CTでは2枚とも、トルコ鞍から鞍上部にかけて内部に高吸収域と等吸収域が混在する占拠性病変。
☞本文には①以外、これといった情報がない。実質画像一発勝負だろう。下垂体腫瘍の存在部位であるが、②より内部で破綻・出血していることが推定される。下垂体卒中の診断。①で示される、急激な両側の視力低下は視交叉障害によるものと考えられる。

【選択肢考察】
a 脳動脈瘤(の破綻)など、血管病変に対して行われる。
b 本患者の意識は清明であり、本文ないし画像から頭蓋内圧亢進は読み取れない。そのため、減圧開頭術は現状必要ない。
c 正しい。経蝶形骨洞手術により、下垂体腫瘍と血腫を除去し、視神経への圧迫を解除する。
d くも膜下出血〈SAH〉に対する治療。
e 急性水頭症に対する治療。

正答率:53%

テーマ:下垂体卒中の治療

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