116D37

67歳の男性。2か月前からの嚥下障害を主訴に来院した。2か月で6kgの体重減少があった。上部消化管内視鏡検査と病理検査により胸部上部食道の扁平上皮癌と診断され、放射線療法と薬物による抗癌治療の同時併用が施行された。治療終了後から肺炎を繰り返すようになった。治療前後の胸部CTを別に示す。

この患者の肺炎の原因となる病態はどれか。

縦隔リンパ節再発
食道癌局所再発
気管食道瘻
食道狭窄
縦隔炎

解答: c

116D37の解説

【プロセス】
①2か月前からの嚥下障害
②胸部上部食道の扁平上皮癌→放射線療法と薬物による抗癌治療
③治療終了後から肺炎を繰り返す
④治療前後の胸部CTを比べるに、食道癌は縮小傾向となっているが、食道と気管に交通がみられる
☞②④より、放射線化学療法の合併症としての食道気管瘻が考えやすい。摂食時、食物が食道から気道へ混入してしまうため、嚥下障害や肺炎をきたしやすくなる(①③)。

【選択肢考察】
a 画像上、縦隔リンパ節の再発は確認できない。
b 画像上、食道癌局所再発は考えにくい。
c 正しい。上記の通り。
d 治療前には食道狭窄もみられたが、治療後には食道は開いている。
e 画像上、縦隔炎は確認できない。

正答率:97%

テーマ:食道癌治療後の気管食道瘻の診断

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