116D29

64歳の男性。舌腫瘤を主訴に来院した。1週間前に舌左側と咽頭の痛みを自覚した。既往歴に特記すべきことはない。喫煙歴はない。飲酒はビール350mL/日を週1回。頸部リンパ節を触知しない。生検で扁平上皮癌を認めた。口腔内視鏡像(A)と頭頸部造影MRI(B)とを別に示す。FDG-PETで遠隔転移を認めない。

この患者でまず行うのはどれか。

手術治療
粒子線治療
永久気管孔造設
経皮的胃瘻造設
薬物による抗癌治療

解答: a

116D29の解説

【プロセス】
①舌腫瘤
②1週間前に舌左側と咽頭の痛みを自覚
③生検で扁平上皮癌
④口腔内視鏡像では左舌縁に表面不整な潰瘍状の腫瘍
⑤頭頸部造影MRIでは左舌縁〜筋層にかけての高信号域
⑥頸部リンパ節を触知しない
⑦FDG-PETで遠隔転移を認めない
☞③より①②は舌癌によるものと説明できる。④⑤では実際の舌癌が描出されている。画像上、腫瘍は限局的であり、⑥⑦も合わせるにope可能と考えられる。

【選択肢考察】
a 正しい。上記の通り。
b 扁平上皮癌では放射線感受性が良好であるため、粒子線治療は適応とならない。粒子線治療は非扁平上皮癌に対して行われる。
c 喉頭癌で喉頭全摘をした際などに導入される。
d 経口摂取困難な状況下で導入される。本文に経口摂取困難な旨は記載がない。
e 手術が可能と思われるため、化学療法は第一選択とならない。

正答率:83%

テーマ:舌癌にまず行う治療

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし