84歳の男性。胃癌の精査のため入院中である。入院時に左前腕に皮下血腫を認めていたが、その後血腫は左の側胸部、側腹部から大腿部にまで拡大した。これまでに出血症状の既往はなく、家族歴に特記すべきことはない。意識は清明。体温36.8℃。脈拍110/分、整。血圧100/60mmHg。眼瞼結膜は貧血様で、眼球結膜に黄染を認めない。胸骨右縁第2肋間を最強点とするLevine 2/6の収縮期駆出性雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦で、心窩部に圧痛を認める。肝・脾を触知しない。四肢等体幹に皮下血腫と紫斑を散在性に認める。血液所見:赤血球298万、Hb 7.2g/dL、Ht 23%、白血球7,400、血小板33万、出血時間3分30秒(基準7分以下)、PT-INR 1.0(基準0.9~1.1)、APTT 70.4秒(基準対照32.2)、血漿フィブリノゲン398mg/dL(基準186~355)、血清FDP 5μg/mL(基準10以下)。
最も考えられる疾患はどれか。
正答率:96%
テーマ:後天性血友病の診断