116D23

46歳の女性。職場の健康診断で施行された胸部エックス線検査で異常を指摘されたため精査目的で来院した。自覚症状はない。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。意識は清明。身長161cm、体重49kg。脈拍72/分、整。血圧132/80mmHg。SpO2 97%(room air)。呼吸音と心音に異常を認めない。血液所見:赤血球428万、Hb 12.1g/dL、Ht 37%、白血球3,700、血小板19万。血液生化学所見:総蛋白7.2g/dL、アルブミン4.1g/dL、クレアチニン0.6mg/dL、HbA1c 5.8%(基準4.6~6.2)。胸部エックス線写真(A)で左下肺野に矢印で示す結節影を認めたため、入院精査の方針となった。選択的肺動脈造影(B)と胸部単純CT(C)とを別に示す。

本疾患に合併しやすい病態でないのはどれか。

喀血
脳梗塞
脳膿瘍
ぶどう膜炎
感染性心内膜炎

解答: d

116D23の解説

【プロセス】
①健康診断の胸部エックス線検査で異常を指摘
②胸部エックス線写真にて左下肺野に異常陰影
③選択的肺動脈造影と胸部単純CTにて肺末梢の結節影の濃染とそれに流出入する血管影
☞本文中に有益な情報はほとんどなく、実質的に画像一発問題である。②③より肺動静脈瘻を考えたい。

【選択肢考察】
a 動静脈瘻が破綻することで出血し、喀血をみる。
b 静脈由来の血栓が右→左シャントにより動脈血に入り、脳へ至ると脳梗塞を呈する。
c 病原体が右→左シャントにより動脈血に入り、脳へ至ると脳膿瘍を呈する。
d 誤り。ぶどう膜炎はBehçet病やサルコイドーシスといった免疫系が強く関与する病態で合併しやすい。肺動静脈瘻では認めない。
e 病原体が右→左シャントにより心内膜に付着すると感染性心内膜炎〈IE〉のリスクとなる。

正答率:85%

テーマ:肺動静脈瘻に合併しやすい病態

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし