116D22

68歳の男性。夜間に寝言が多いことを同居家族に指摘されたため来院した。既往歴、家族歴には特記すべきことはない。同伴した妻によると、夜間に大声で叫んだり、足を振り上げて隣に寝ている妻を蹴とばしたりすることがあったという。神経診察に異常を認めない。血液検査、血液生化学検査、頭部単純MRIに異常を認めない。

考えられる疾患はどれか。

レム〈REM〉睡眠行動障害
睡眠時無呼吸症候群
下肢静止不能症候群
突発睡眠
夜驚症

解答: a

116D22の解説

【プロセス】
①高齢男性
②夜間に大声で叫んだり、足を振り上げて隣に寝ている妻を蹴とばす
☞①にみられる夜間の異常行動であり、レム〈REM〉睡眠行動障害が考えやすい。

【選択肢考察】
a 正しい。上記の通り。
b 寝言ではなく、いびきが多いと指摘される。また、睡眠中の呼吸停止や日中の眠気といったエピソードがほしいところ。
c 別名、むずむず脚症候群〈レストレスレッグス症候群〉。中高年女性に好発し、夕方〜夜間に下肢がムズムズし、動かしたい衝動にかられる。
d 突然眠り込む症状。パーキンソン病治療薬の非麦角系ドパミンアゴニストの副作用として知られる(ナルコレプシーでみられる睡眠発作とは似ているが別の病態)。
e 男児に多く、睡眠中に突然、驚愕することを反復する。

正答率:92%

テーマ:REM睡眠行動障害の診断

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし