116D20

32歳の男性。腹痛を主訴に来院した。昨日から右下腹部痛が出現し改善しないため受診した。18歳時に虫垂炎のため虫垂切除を受けている。体温37.0℃。脈拍80/分、整。血圧132/80mmHg。腹部は平坦で、右下腹部に圧痛と軽度の反跳痛を認める。腸雑音は減弱している。血液所見:赤血球476万、Hb 15.3g/dL、Ht 43%、白血球12,400(好中球75%、好酸球1%、好塩基球1%、単球4%、リンパ球19%)、血小板25万。血液生化学所見:AST 34U/L、ALT 60U/L、尿素窒素12mg/dL、クレアチニン0.9mg/dL。CRP 3.6mg/dL。腹部単純CTを別に示す。

この画像所見から最も考えられる疾患はどれか。

大腸癌
便秘症
腸結核
虚血性腸炎
大腸憩室炎

解答: e

116D20の解説

【プロセス】
①昨日から右下腹部痛が出現
②18歳時に虫垂炎のため虫垂切除
③右下腹部に圧痛と軽度の反跳痛
④腹部単純CTにて上行結腸の憩室と周囲の脂肪織濃度上昇
☞①より急性虫垂炎を想起するも、②より却下。③より軽度腹膜炎を呈していると考える。④より大腸憩室炎の診断。

【選択肢考察】
a 32歳という年齢では(遺伝性の特殊なものを除き)癌は考えにくい。画像上も否定的。
b 便秘症単独では軽度腹膜炎まで至らない。
c 腸結核では回盲部に好発する輪状潰瘍をみる。
d 中高年の糖尿病や高血圧症の背景がある者に好発する。また部位としては下行結腸〜S状結腸に多くみられる。
e 正しい。上記の通り。

正答率:96%

テーマ:大腸憩室炎の診断

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