116D18

77歳の男性。胸痛、ふらつきを主訴に救急外来を受診した。同日15時頃から胸痛とふらつきがあり、20時50分に家族に連れられて来院した。12誘導心電図検査で心室頻拍を認め、収縮期血圧は70mmHg台に低下していた。150Jで電気的除細動を行い洞調律に復帰後は症状が消失し、収縮期血圧は120mmHgに上昇した。血液検査で電解質異常を認めず、不整脈の誘因となる薬剤の服用は確認できなかった。心エコー検査で異常を認めず、緊急冠動脈造影検査では冠動脈病変を認めなかった。今後、カテーテルアブレーション療法を検討している。

現時点での薬物療法として用いられないのはどれか。

α遮断薬
β遮断薬
I群抗不整脈薬
ベラパミル
ジルチアゼム

解答: a

116D18の解説

【プロセス】
①胸痛、ふらつき
②12誘導心電図検査で心室頻拍
③電気的除細動を行い洞調律に復帰後は症状が消失
④今後、カテーテルアブレーション療法を検討
☞②による心拍出低下で①は説明がつく。原因不明であり、特発性心室頻拍〈VT〉の可能性が高い。③より一安心ではあるも、今後再発の可能性もある。④とそれへのつなぎとしての薬物療法が必要となる。

【選択肢考察】
a 誤り。α遮断薬は主に降圧薬として用いられる。VTの予防作用はない。
b 刺激伝導系などを抑制することでVTの予防作用をもつ。
c Naチャネルを遮断することで、VTの予防作用をもつ。
d カルシウム拮抗薬の1つ。心筋の興奮を落とし、VTの予防作用をもつ。
e カルシウム拮抗薬の1つ。心筋の興奮を落とし、VTの予防作用をもつ。

正答率:72%

テーマ:心室頻拍・洞調律復帰後に予防目的で用いる薬物

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