116C51

52歳の男性。健康診断で肥満を指摘され来院した。3か月前の健康診断で異常をはじめて指摘された。20歳時の体重は65kgであった。既往歴と家族歴に特記すべき事項はない。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。健康診断以降、早朝1時間の散歩をしている。身長170cm、体重74kg。BMI 25.6。脈拍64/分、整。血圧128/82mmHg。心音と呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下肢に浮腫を認めない。

この患者の行動変容のステージに基づく指導として適切なのはどれか。

「肥満は生活習慣病の原因のひとつです」
「多くの人が散歩していると思いますよ」
「早朝1時間の散歩を始めたのは良いことですね」
「肥満は身体に良くないので痩せる努力をしましょう」
「肥満につながる生活スタイルを見直すと良いですよ」

解答: c

116C51の解説

【プロセス】
①3か月前の健康診断で異常をはじめて指摘
②20歳時の体重は65kg・52歳の現在は体重74kg
③BMI 25.6
④健康診断以降、早朝1時間の散歩
☞③より肥満である。しかし、②よりそこまで急激な変化ではない。①④からすでに行動変容の実行期(開始〜6か月)にあると言える。与えられた選択肢はいずれも不適切な発言ではないが、本問では「この患者の行動変容のステージに基づく指導」、すなわち実行期に適切な指導が問われている。

【選択肢考察】
a 知識・情報提供、問題点指摘に該当し、無関心期に有効。
b 動機付けないし具体化、目標設定、計画支援に該当し、関心期〜準備期に有効。
c 正しい。人は誰でも褒められ、認められると嬉しい。意欲強化や報酬付けに該当し、実行期に有効。
d 知識・情報提供、問題点指摘に該当し、無関心期に有効。
e 動機付けないし具体化、目標設定、計画支援に該当し、関心期〜準備期に有効。

正答率:97%

テーマ:行動変容のステージに基づく指導

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