116C38

56歳の男性。自宅火災があり、初期消火を行おうとしたところ顔面、両手に受傷し救急搬送された。咽頭痛と咳嗽を訴えている。意識は清明。体温36.0℃。心拍数124/分、整。血圧140/90mmHg。呼吸数24/分、喘鳴を聴取する。SpO2 99%(マスク6L/分 酸素投与下)。顔面および口腔に煤が付着しており、毛髪が焼けている。胸部エックス線写真では異常を認めない。

次に行うべき検査として適切なのはどれか。

胸部MRI
気管支鏡検査
肺動脈造影検査
肺血流シンチグラフィ
上部消化管内視鏡検査

解答: b

116C38の解説

【プロセス】
①自宅火災で受傷
②咽頭痛と咳嗽
③呼吸数24/分、喘鳴を聴取
④顔面および口腔に煤が付着
☞①より熱傷であるが、②〜④より気道熱傷の疑いが強い。気道の評価が急がれる。

【選択肢考察】
a 肺の評価はできるも、細かな気道の評価には適さない。また、呼吸状態が思わしくないため、比較的長時間を要するMRI検査に踏み切るのはためらわれる(いわゆる「死のトンネル」現象)。
b 正しい。気管支鏡検査にて気道の損傷を評価できる。
c 肺動脈が首座となる病態の存在は現時点で考えにくい。
d 肺動脈が首座となる病態の存在は現時点で考えにくい。
e 消化管が首座となる病態の存在は現時点で考えにくい。

正答率:95%

テーマ:気道熱傷疑いの患者に行うべき検査

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし