116C17

疾病Yの有病率について、生まれ年が異なる4つのコホートを1965年度から2015年度まで10年おきに最大6回追跡調査した結果を別に示す。

疾患Yの有病率について正しいのはどれか。

生まれ年によらず加齢とともに有病率は高くなる。
生まれ年によらず加齢と有病率の関係は変わらない。
生まれ年が早いほど同じ測定時年齢でも有病率は高い。
測定した年度ごとに見ると若年者のほうが有病率は低い。
測定した年度によらず測定時年齢と有病率の関係は変わらない。

解答: a

116C17の解説

【選択肢考察】
a 正しい。●、■、×、◆すべてにおいて、図内右側に行けば行くほど(年を取れば取るほど)、疾病Yの有病率(縦軸)は増加している。
b もしこの表現が正しいのであれば、●、■、×、◆すべては横一直線になるはずである。
c 例えば、生まれ年が早い◆と生まれ年が遅い●を35歳で比較してみよう。◆の方が有病率が低く、●の方が高いことがわかる。ゆえに本選択肢の記載は逆であり、「生まれ年が早いほど同じ測定時年齢でも有病率は低い」と言える。
d 1940年生まれ(◆)の75歳時(一番右端のプロット)は2015年である。同様に、×の右端プロット(65歳)、■の右端プロット(55歳)、●の右端プロット(45歳)はやはり2015年。この2015年の4プロットを線でつないでみよう。左上から右下方向の線となるはずだ(2015年以外にも2005, 1995, 1985, 1975年で同じく線を引くことができる)。いずれの線においても、若年者の方が有病率が高いことが読みとれる(例えば2015年の線で言えば、●[45歳]の方が◆[75歳]より有病率が高い)。
e 1940年生まれ(◆)の75歳時(一番右端のプロット)は2015年である。同様に、×の右端プロット(65歳)、■の右端プロット(55歳)、●の右端プロット(45歳)はやはり2015年。この2015年の4プロットを線でつないでみよう。左上から右下方向の線となるはずだ(2015年以外にも2005, 1995, 1985, 1975年で同じく線を引くことができる)。ここで例えば2015年の線上にある●(45歳)と1985年の線上にある◆(45歳)は同じ年齢だ。だが、●の方が有病率が高い。ゆえに、測定した年度が最近なほど、同一年齢における有病率が高いと言える。そもそも選択肢の表現が正しいのであれば、プロットの重なりが発生するはずだ。

正答率:91%

テーマ:コホート追跡調査の結果から判断する有病率について

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