116B43

血液をふき取った後の創部の写真を別に示す。

神経断裂を疑う所見はどれか。

創部の強い疼痛
指先の知覚脱失
腕橈骨筋反射の低下
手関節自動伸展が不可能
損傷部位より末梢の浮腫

解答: b

116B43の解説

【プロセス】
血液をふき取った後の創部の写真では、すでに出血は止まっており、左前腕に切創を確認可能。屈筋腱の露出もみられ、傷の深さを物語っている。ここで問題となるのは神経が断裂してしまっているか否か、である。なお、本問は「選択肢に誤りがあり正解が得られないため」とのことで採点除外問題となった。出題時に知覚脱"出"(知覚脱"失"が一般的)という表現が用いられていたことが原因と考えられる。一般的でない表現を覚えてもらっては困るので、ここではすでに知覚脱"失"に正してある。

【選択肢考察】
a 強い疼痛が存在した場合、神経はまだ生きていることが推測される。
b 正しい。知覚脱失があった場合、神経断裂が疑われる。
c 腕橈骨筋反射の実施時に叩打する部位はまさしく損傷のある部位である。通常であれば苦痛を考え、この検査を行うことはしない。万が一断行したとしても、疼痛等の関係から正確な結果が得られるとは思えず、反射低下でも亢進でも有意な情報とはならない。ましてや神経断裂の有無を判断することはできない。
d 手関節自動伸展は橈骨神経が担うが、これは腋窩〜上腕レベルの損傷にて出現する。前腕部の橈骨神経が損傷されても手関節自動伸展は可能。これが不可能であった場合、たしかに神経障害は可能性としてあるのだが、今回の切創自体によるものとは考えにくい。
e 浮腫、すなわち水分貯留と神経断裂とは関係がない。

正答率:67%

テーマ:【長文2/2】神経断裂を疑う所見

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