116B39

26歳の女性。動悸と息切れを主訴に来院した。1年前から月経量が増え、3か月前から階段昇降時に動悸と息切れを自覚するようになり受診した。月経周期は28日型、整、順、持続8日間。身長160cm、体重52kg。体温36.4℃。脈拍84/分、整。血圧106/66mmHg。呼吸数22/分。内診で子宮は正常大、両側付属器に異常を認めない。血液所見:赤血球378万、Hb 7.2g/dL、Ht 22%、白血球6,400、血小板27万。超音波検査で子宮内腔に突出する径2cmの充実性腫瘤を認める。骨盤部単純MRI T2強調矢状断像(A)とT2強調冠状断像(B)とを別に示す。将来妊娠を考えている。

鉄剤投与による貧血改善後に行う治療法として適切なのはどれか。

子宮全摘術
子宮鏡下手術
子宮動脈塞栓術
子宮内膜焼灼術
プロゲステロン投与

解答: b

116B39の解説

【プロセス】
①26歳の女性
②動悸と息切れ
③1年前から月経量が増加
④超音波検査で子宮内腔に突出する径2cmの充実性腫瘤
⑤骨盤部単純MRI T2強調像にて子宮内腔に低信号を呈する腫瘤
⑥将来妊娠を考えている
☞④⑤より子宮筋腫が考えやすい。これにより③となり、貧血を呈し、②に至っている。

【選択肢考察】
a ①⑥より子宮全摘術は★禁忌★。
b 正しい。子宮鏡下に子宮筋腫を摘出する。子宮の温存が可能だ。
c 出血量があまりに多い場合、止血のためやむなく行われることはあるが、本症例ではそのような記載はない。また、挙児希望者への実施は好ましくない。
d 粘膜下筋腫に対して行われることがある。しかしながら、挙児希望者への実施は好ましくない。
e 子宮内膜症ないし子宮腺筋症に対して行われることがある。子宮筋腫への実施は一般的ではない。

正答率:89%

テーマ:子宮筋腫の治療法

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