116B35

88歳の男性。長年の喫煙に起因する慢性閉塞性肺疾患と弁膜症による重症の呼吸不全および心不全のため入院した。疾患自体の改善は難しく、呼吸の苦しさや体幹のだるさなどの苦痛の訴えが強く、本人は緩和ケアを望んでいる。妻と二人暮らしで長男が近所に住んでおり家族関係は良好である。

この患者に緩和ケアを行うにあたり、対応として誤っているのはどれか。

酸素投与の継続
病室の環境調整
オピオイド投与
家族の面会制限
苦痛を訴える部位のマッサージ

解答: d

116B35の解説

【プロセス】
①長年の喫煙に起因する慢性閉塞性肺疾患と弁膜症による重症の呼吸不全および心不全の高齢者
②苦痛の訴えが強く、本人は緩和ケアを望んでいる
③妻と二人暮らしで長男が近所に住んでおり家族関係は良好
☞与えられた情報に照らし、選択肢を1つずつ検討すれば平易。

【選択肢考察】
a 呼吸の苦しさがあるため、酸素投与は継続するべき。
b 換気や湿度調整など、病室の環境調整は重要である。
c 苦痛の訴えが強いため、緩和ケアには有効。むろんオピオイドには呼吸抑制の副作用もあるため、慎重に行う。
d 誤り。③より家族の面会は本人のQOL向上に寄与すると考えられる。理不尽に制限するのは好ましくない。
e 理学療法の1つであり、局所循環の改善等を狙い実施される。

正答率:99%

テーマ:緩和ケアにあたっての対応

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