116B33

26歳の初妊婦。妊娠24週で妊婦健康診査のため来院した。既往歴に特記すべきことはない。身長160cm、体重66kg(非妊時58kg)。体温37.0℃。脈拍72/分、整。血圧134/72mmHg。子宮底長21cm、腹囲85cm。下腿に軽度浮腫を認める。尿所見:蛋白(−)、糖2+。空腹時血糖値132mg/dL。

まず行う対応として適切なのはどれか。

24時間蓄尿
経口糖尿病薬を開始
血糖値の日内変動を測定
強化インスリン療法を開始
75g経口ブドウ糖負荷試験を実施

解答: c

116B33の解説

【プロセス】
①妊娠24週
②子宮底長21cm、腹囲85cm
③下腿に軽度浮腫
④尿糖2+、空腹時血糖値132mg/dL
☞②は①として問題ない。ゆえに胎児の発育は順調と言えそうだ。③は本エピソードによる病的なものの可能性もあるが、正常妊娠でも体内に水分が貯留しやすくなるため、あながち異常とも言い切れない。④より耐糖能異常が考えられ、これを精査する運びとなる。

【選択肢考察】
a 尿蛋白の評価に用いる。いま、尿蛋白は陰性であり、必要ない。
b 妊婦に経口血糖降下薬は★禁忌★。
c 正しい。まずは血糖値の推移を評価したい。
d まずは本患者の耐糖能異常について精査し、その後必要性があると判断された場合に行う。
e 空腹時血糖値132mg/dLと、すでに妊娠中の明らかな糖尿病〈overt diabetes in pregnancy〉の基準(≧126)を満たしている。この状況下での75g経口ブドウ糖負荷はいたずらに高血糖を惹起する害になりうるため、行わない。

正答率:51%

テーマ:妊娠糖尿病〈GDM〉を疑う妊婦にまず行う対応

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