116B31

54歳の女性。半年前から駅の階段を昇るときに胸部に違和感が生じるようになったため来院した。検査の結果、冠動脈形成術が必要であると担当医から伝えられた。患者は「病状は両親や兄弟、および勤務先には伝えないでほしい」と希望を述べた。10年前から会社で勤務しており、一人暮らしである。職場の健康診断では異常を指摘されていない。

医師の患者への適切な説明はどれか。

「会社へは主治医からの報告義務があります」
「あなたが承諾した方に病状をお話しします」
「それでは薬物治療のみで対応せざるを得ません」
「血縁者からの病状説明の依頼は拒否できません」
「どのような治療でも血縁者の同意は必須になります」

解答: b

116B31の解説

【プロセス】
①半年前から駅の階段を昇るときに胸部に違和感
②検査の結果、冠動脈形成術が必要
③病状は両親や兄弟、および勤務先には伝えないでほしいと希望
☞①②より虚血性心疾患が考えやすい。本人の希望が最大限尊重されるべきであり、③のとおりに計らうこととなる。

【選択肢考察】
a 会社への報告義務はない。
b 正しい。上記の通り。
c 冠動脈形成術は本人の同意のみで実施可能である。
d たとえ血縁者であっても、本人の意思により、病状説明は拒否することができる。
e 臓器移植など特定の例外を除き、一般的な治療は原則として本人の同意のみで実施可能である。

正答率:99%

テーマ:患者の希望と個人情報保護について

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