116B30

80歳の女性。3日前、肺炎のため入院した。肺炎は改善傾向である。夜中にトイレに行こうとして病室内で転倒した。頭部打撲はなく痛みの訴えもない。トイレに行くときにはナースコールを押して知らせるように伝えていたが、ナースコールは押されていなかった。入院後は不眠のため、ベンゾジアゼピン系薬剤を内服していた。入院前のADLは自立していた。

翌日行われたカンファレンスでの提案として適切なのはどれか。

睡眠薬の追加
夜間の身体拘束
離床センサーの使用
後日の家族への報告
尿道カテーテルの留置

解答: c

116B30の解説

【プロセス】
①高齢女性
②3日前、肺炎のため入院
③夜中にトイレに行こうとして病室内で転倒
④ナースコールは押されていなかった
⑤入院後は不眠のため、ベンゾジアゼピン系薬剤を内服
⑥入院前のADLは自立
☞断言はできないが、③〜⑤の記載からは夜間せん妄が疑われる。①②はそのリスクとして有名だ。

【選択肢考察】
a 睡眠薬は夜間せん妄のリスクである。
b 身体拘束は夜間せん妄のリスクだ。また、必要以上の身体拘束は倫理的にも望ましくない。
c 正しい。離床センサーを設置することで、夜間に患者が離床した際に早期発見とその対策が可能となる。
d 家族への報告は早期に行いたい。
e ⑥より、医学的に尿道カテーテルの留置は必要ない。むしろ、尿道カテーテル留置によりせん妄のリスクを高めてしまうことが危惧される。

正答率:98%

テーマ:易転倒性の高齢者に関するカンファレンスでの提案

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし