116B27

83歳の女性。4日前からの右腰部痛と悪寒戦慄を伴う発熱を主訴に来院した。来院時、意識は清明。見当識障害はない。体温38.6℃。脈拍102/分、整。血圧138/88mmHg。呼吸数24/分。SpO2 97%(room air)。頭頸部に異常を認めない。心臓の聴診で心尖部を最強点とするLevine 3/6の収縮期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。四肢・末梢に皮疹を認めない。入院時に行った血液培養2セット(4本)からクラスター状に集簇するグラム陽性球菌が検出された。

次に行うべき検査はどれか。

胸部単純CT
頸動脈エコー
経胸壁心エコー
上部消化管内視鏡
腹部単純エックス線

解答: c

116B27の解説

【プロセス】
①4日前からの右腰部痛と悪寒戦慄(体温38.6℃)
②心尖部を最強点とする収縮期雑音
③血液培養2セット(4本)からクラスター状に集簇するグラム陽性球菌が検出
☞①からは敗血症が想定される。③はブドウ球菌と思われ、感染性心内膜炎〈IE〉が診断として最も考えやすい。②は弁破壊による僧帽弁閉鎖不全症〈MR〉であろう。

【選択肢考察】
a 心内の疣贅が描出できる可能性はあるも、IEに対するスタンダードな検査ではない。
b 一過性脳虚血発作〈TIA〉がみられた患者の動脈硬化を評価する際などに有効。
c 正しい。心エコーにて疣贅の存在や、MRの状況を評価する。
d 消化管疾患ではないため、見当外れ。
e 腹部疾患ではないため、見当外れ。

正答率:98%

テーマ:感染性心内膜炎〈IE〉の検査

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