116B25

48歳の女性。右上肢の運動障害を主訴に来院した。昨晩飲酒後、食卓の椅子で右の肘掛けにもたれかかって寝たところ、目が覚めると右手関節の背屈ができなくなっていたため受診した。既往歴に特記すべきことはない。意識は清明。身長165cm、体重53kg。体温36.3℃。体表に外傷はない。橈骨動脈は両側で良好に触知する。頸部痛はない。右手背に感覚鈍麻がある。右手関節の背屈ができず、右手指のMP関節の伸展ができない。上下肢の他の筋力は正常である。

障害が疑われるのはどれか。

腋窩神経
筋皮神経
尺骨神経
正中神経
橈骨神経

解答: e

116B25の解説

【プロセス】
①昨晩飲酒後、食卓の椅子で右の肘掛けにもたれかかって寝た
②目が覚めると右手関節の背屈ができなくなっていた
③右手背に感覚鈍麻
④右手関節背屈と右手指MP関節の伸展不可
☞①②は典型的なSaturday night palsyのエピソードだ。Saturday night palsyはhoneymooner's palsyとも呼ばれ、橈骨神経が障害される病態である。③④もそれに矛盾しない。

【選択肢考察】
a 肩関節の外転障害や上腕近位外側の感覚障害をみる。
b 肘関節の屈曲障害と前腕外側の感覚障害をみる。
c 手指の内外転などが障害され、環指尺側と小指の感覚障害をみる。
d 母指の外転が障害され、母指から環指橈側の感覚障害をみる。
e 正しい。上記の通り。

正答率:96%

テーマ:橈骨神経障害の診断

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