116A74

42歳の男性。腹痛を主訴に来院した。昨日昼から心窩部痛を自覚していた。今朝、起床時に嘔吐した。その後右下腹部痛を自覚し、徐々に増悪するため受診した。身長170cm、体重78kg。体温37.3℃。脈拍84/分、整。血圧126/78mmHg。呼吸数16/分。SpO2 99%(room air)。腹部は平坦で、右下腹部に圧痛と反跳痛を認める。血液所見:赤血球486万、Hb 15.2g/dL、Ht 43%、白血球16,200、血小板24万。血液生化学所見:総蛋白6.4g/dL、アルブミン4.2g/dL、総ビリルビン0.7mg/dL、AST 23U/L、ALT 18U/L、LD 147U/L(基準120~245)、尿素窒素20mg/dL、クレアチニン0.9mg/dL。CRP 0.9mg/dL。腹部超音波検査では病変の描出が不明瞭であった。腹部造影CTの横断像(A)と斜冠状断像(B)を別に示す。

考慮すべき治療法はどれか。3つ選べ

手術
輸液
高圧浣腸
抗菌薬投与
イレウス管挿入

解答: a,b,d

116A74の解説

【プロセス】
①昨日昼から心窩部痛
②その後右下腹部痛を自覚し、徐々に増悪
③右下腹部に圧痛と反跳痛
④腹部造影CTでは虫垂が腫大し、壁が高吸収
☞①②より急性虫垂炎を想起、④にて確信に至る。腹膜炎に至り、③がみられている。

【選択肢考察】
a 正しい。手術により虫垂切除を行う。
b 正しい。腹膜炎がみられており、しばらくは絶飲食となる。また手術の可能性もあり、輸液は必定だ。
c 腸重積に対する処置。
d 正しい。保存的に抗菌薬投与で軽快する例もある。
e 腸閉塞の所見は今、みられていない。

正答率:90%

テーマ:急性虫垂炎の治療法

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