116A71

5歳の女児。3日前からの高熱を主訴に母親とともに来院した。咽頭痛と食欲低下を認めるが、咳嗽や鼻汁は認めない。体温39.6℃。脈拍120/分、整。呼吸数28/分。SpO2 100%(room air)。活気良好。顔色良好。眼球結膜に軽度の発赤を認める。咽頭の発赤を認め、口蓋扁桃に白苔の付着を認める。両側の頸部に径1.5cmのリンパ節を4個ずつ触知する。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。

可能性が最も低い疾患はどれか。

川崎病
溶連菌感染症
EBウイルス感染症
アデノウイルス感染症
パルボウイルスB19感染症

解答: e

116A71の解説

【プロセス】
①5歳の女児
②3日前からの高熱(体温39.6℃)
③咽頭痛と食欲低下
④顔色良好
⑤眼球結膜に軽度の発赤
⑥咽頭の発赤・口蓋扁桃に白苔の付着
⑦両側の頸部に径1.5cmのリンパ節を4個ずつ触知
☞与えられた情報から1つずつ選択肢を検討し、最も否定的なものを残せばよい。なお、本問はもともと可能性が高い疾患を3つ選ばせる出題であったが、後日厚労省から「パルボウイルスB19感染症」以外であればどれを3つ選んでも正解とみなす発表があった。これを受けて、本問を「最も可能性が低い疾患はどれか」と改変した。

【選択肢考察】
a ①⑤⑦が川崎病の主要症状を満たしている。
b 小児の発熱と咽頭痛で真っ先に思い浮かべる疾患の1つ。
c EBウイルス感染による伝染性単核球症〈IM〉にも矛盾しない。
d 小児の発熱と咽頭痛で真っ先に思い浮かべる疾患の1つ。
e 誤り。パルボウイルスB19感染症による伝染性紅斑〈リンゴ病〉では「リンゴ」の由来となった頬部の紅斑をみる。これは顔色良好とする④に矛盾する。また発熱はみられないことが多く、あっても微熱である(39.6℃までは上昇しない)。

正答率:95%

テーマ:咽頭痛とリンパ節腫脹をみる小児で考えられる疾患

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