116A66

34歳の女性。前胸部痛を主訴に来院した。3か月前から前胸部痛が出現し徐々に増強してきた。体温36.8℃。血圧118/64mmHg。SpO2 98%(room air)。心音と呼吸音に異常を認めない。胸部エックス線写真(A)と胸部造影CT(B)とを別に示す。

考えられる疾患はどれか。2つ選べ

胸腺腫
神経鞘腫
心膜嚢胞
胸膜中皮腫
悪性リンパ腫

解答: a,e

116A66の解説

【プロセス】
①3か月前から前胸部痛が出現し徐々に増強
②胸部エックス線写真にて右第1弓部に腫瘤によると思しき縦隔拡大
③胸部造影CTにて前縦隔の腫瘤影
☞②③より前縦隔腫瘍を考える。これによる症候として①がみられている可能性が高い。

【選択肢考察】
a 正しい。胸腺腫は前縦隔に好発する。
b 神経鞘腫は後縦隔に好発する。
c 心膜嚢胞は中縦隔に好発する。
d 胸膜中皮腫は文字通り、胸膜にみられる。縦隔腫瘍ではない。
e 正しい。悪性リンパ腫は後縦隔以外にみられやすい。むろん、本症例のように前縦隔に出現することもある。

正答率:81%

テーマ:前縦隔腫瘍から考えられる疾患

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