116A64

61歳の男性。右膝痛を主訴に来院した。疼痛のため一本杖歩行をしている。2か月前に大腸癌の手術を受け、現在薬物による抗癌治療中である。余命は2年以上と考えられている。意識は清明。身長172cm、体重75kg。右膝は高度の内反変形があり、屈曲80度、伸展−20度の可動域制限がある。右膝関節の単純エックス線写真で変形性膝関節症を認め、人工膝関節置換術の適応とされた。

今後の治療の組合せとして適切なのはどれか。

がん治療、膝治療ともに放棄
がん治療を終了し膝の保存治療
がん治療を終了し膝の手術治療
がん治療を継続しながら膝の保存治療
がん治療を継続しながら膝の手術治療

解答: e

116A64の解説

【プロセス】
①大腸癌治療中(余命は2年以上)
②右膝に変形性膝関節症があり、痛い(疼痛のため一本杖歩行)
③人工膝関節置換術の適応あり
☞①より、比較的余命は長い。②より痛くて歩きにくいことで困っているようだ。③より手術適応とされる以上、opeに踏み切り、QOL向上を図るのが望ましい。むろん、がん治療も継続したい。

【選択肢考察】
a 両方とも放棄する、というなんともナンセンスな選択肢である。
b がん治療を終了すれば、再発し、余命が短くなる可能性もある。がん治療は継続したい。また、せっかく手術適応とされた以上、(あくまで本人の希望が最優先されるが)opeを実行すべきだろう。
c がん治療を終了すれば、再発し、余命が短くなる可能性もある。がん治療は継続したい。
d せっかく手術適応とされた以上、(あくまで本人の希望が最優先されるが)opeを実行すべきだろう。
e 正しい。上記の通り。

正答率:78%

テーマ:変形性膝関節症がみられた癌患者への治療方針

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