116A59

8歳の女児。著しい掻痒を伴う皮疹を主訴に来院した。背部の所見を別に示す。同様の皮疹が背部以外にも顔面、腹部、肘窩、膝窩など全身に認められる。白血球8,600(好酸球12%)。IgE 2,800IU/mL(基準250以下)。抗原特異的IgEはハウスダスト、スギ花粉等吸入性抗原に強陽性を示すが、食物抗原は陰性であった。

注意すべき合併症はどれか。

気胸
貧血
白内障
円錐角膜
アナフィラキシー

解答: c

116A59の解説

【プロセス】
①著しい掻痒を伴う皮疹
②顔面、腹部、背部、肘窩、膝窩など全身に皮疹
③画像では紅斑、小丘疹、小びらん、色素沈着と脱失、苔癬化病変、掻爬痕
④好酸球12%・IgE高値
⑤抗原特異的IgEはハウスダスト、スギ花粉等吸入性抗原に強陽性
⑥食物抗原は陰性
☞④⑤よりI型アレルギーの背景を想定する。①〜③よりアトピー性皮膚炎を考えたい。

【選択肢考察】
a 特にアトピー性皮膚炎に多い合併症ではない。
b 特にアトピー性皮膚炎に多い合併症ではない。
c 正しい。アトピー性皮膚炎患者で最も注意すべき眼科的合併症である。
d △。アトピー性皮膚炎患者では円錐角膜がみられやすい。そのため2つ選ぶ問題であれば、本選択肢も正解になりうるだろう。が、頻度的に白内障より低く、1つしか選べない問題である以上、正解とはならない。
e I型アレルギーの背景があるため、健常人と比べればアナフィラキシーの出現確率は高いはずだ。ただし本文に⑥の記載をした出題者の心中を察するに、敢えてここで本選択肢を選ぶことは控えるべきだ。

正答率:68%

テーマ:アトピー性皮膚炎の合併症

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