116A58

69歳の男性。左鼻出血と複視を主訴に来院した。1か月前から左鼻出血を繰り返し、徐々に左鼻閉が悪化した。2日前から物が二重に見えることを自覚した。副鼻腔の造影CT(A)と造影MRI(B)とを別に示す。左鼻腔生検で扁平上皮癌を認めた。

この患者で認められるのはどれか。

難聴
眼球突出
開口障害
味覚障害
嚥下障害

解答: b

116A58の解説

【プロセス】
①高齢男性
②左鼻出血と複視
③副鼻腔の造影CT・造影MRIにて左副鼻腔内の腫瘍像と左眼窩内への浸潤(画像Aでは左眼球の突出も確認可能)
☞③より左副鼻腔癌である。①は好発年齢であるし、②の症候も矛盾しない。本文の記載や画像だけからは確実なことは言えないが、おそらくは上顎癌が拡大したものと思われる。

【選択肢考察】
a 外耳・中耳・内耳への浸潤は画像上確認できない。また、上咽頭癌のように耳管咽頭口が塞がれる病態でもない。
b 正しい。画像Aからも確認可能。
c 腫瘍の後方浸潤により翼突筋や咬筋が侵された場合にみられうる。が、後方浸潤を示唆する情報は見当たらない。
d 顔面神経や舌が障害された場合にみられる。が、これらの構造への浸潤を示唆する情報は見当たらない。
e 咽頭や喉頭の障害にてみられる。

正答率:84%

テーマ:上顎癌の症候

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