116A54

2歳の男児。テレビの音が以前より大きいことを心配した母親に伴われて来院した。1週間前に両側の耳痛と鼻汁があり、2日でおさまった。それ以降、呼びかけに応答しないことがしばしばあった。身長90cm、体重13kg。体温36.5℃。耳介と外耳道に異常を認めない。左鼓膜所見を別に示す。

診断確定のために有用なのはどれか。

語音聴力検査
純音聴力検査
聴性脳幹反応
オルファクトメトリ
インピーダンスオージオメトリ

解答: e

116A54の解説

【プロセス】
①1週間前に両側の耳痛と鼻汁
②それ以降、呼びかけに応答しないことあり
③左鼓膜所見にて鼓膜の内陥と鼓室内の気泡
☞①は上気道感染と急性中耳炎であろう。②より、これに続発する形で今回の病態に至った可能性が高い。③より滲出性中耳炎を考える。

【選択肢考察】
a 文字通り、語を聞かせる自覚的聴力検査であり、2歳児には実施困難。
b 音が聞こえたタイミングでボタンを押してもらう検査であり、2歳児には正確な指示が伝わらない。実施困難。
c 他覚的検査であるが、評価できるのは蝸牛神経よりも中枢側である。中耳炎の評価には適さない。
d 嗅覚検査。聴覚の検査ではない。
e 正しい。インピーダンスオージオメトリ〈ティンパノグラム〉はイヤホン様の器具で外耳道を密閉することで検査ができるため、2歳児にも実施可能である。滲出性中耳炎ではB型を呈する。

正答率:54%

テーマ:滲出性中耳炎の確定診断に有用な検査

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