116A42

36歳の女性(2妊0産)。妊娠36週4日、腹痛を主訴に来院した。来院時、身長152cm、体重68kg。体温36.8℃。脈拍110/分、整。血圧162/108mmHg。腹部は硬く、子宮口は6cm開大、腟内には凝血塊が認められた。超音波検査で児の推定体重2,300g、胎盤の厚さは7cmであった。胎児心拍数陣痛図を別に示す。

適切な対応はどれか。

緊急帝王切開
止血薬点滴静注
子宮収縮薬点滴静注
副腎皮質ステロイド筋注
硫酸マグネシウム点滴静注

解答: a

116A42の解説

【プロセス】
①妊娠36週での腹痛
②腹部は硬い
③腟内には凝血塊
④胎盤の厚さは7cm
⑤胎児心拍数陣痛図にて遅発一過性徐脈
☞①より妊娠末期のトラブルを考える。胎盤の厚さは中央部で約2cmが正常であるため、④は明らかに厚い。③と合わせて考えるに、これは胎盤が剥離して出血しまっている可能性が高い。常位胎盤早期剥離である。②⑤も常位胎盤早期剥離に矛盾しない所見。

【選択肢考察】
a 正しい。遅発一過性徐脈がみられており、一刻も早い緊急帝王切開が望まれる。
b たしかに出血はあるのだが、止血薬を点滴しても事態の収拾には貢献しない。
c ただでさえ危機的状況にある胎児にムチを打つ行為であり、★禁忌★。
d 妊娠34週未満の早産で、胎児の肺成熟が未熟と予想される場合に有効。
e 子癇の治療である。

正答率:95%

テーマ:常位胎盤早期剥離への対応

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