73歳の男性。歩行時の左下肢痛を主訴に来院した。2か月前から400m程度の歩行で左ふくらはぎに痛みが出現し、立ち止まって休憩すると消失していた。最近200m程度で症状を認めるため来院した。43歳から糖尿病に対して定期的な投薬治療が行われている。7年前に狭心症に対して冠動脈内ステント留置術が行われており、5年前から透析治療を受けている。喫煙は20歳から現在まで20本/日、飲酒は機会飲酒。意識は清明。身長169cm、体重57kg。体温35.9℃。脈拍84/分、整。血圧158/92mmHg。呼吸数20/分。SpO2 95%(room air)。足関節上腕血圧比〈ABI〉は右側で0.91、左側で0.65であった。
研修医と指導医の会話を示す。
指導医:「この患者さんの症状をどう表現しますか」
研修医:「①間欠性跛行だと思います」
指導医:「背景にある病態として、どのようなものがありますか」
研修医:「②神経性のものとして腰部脊柱管狭窄症などがあり、③血管性のものとして浅大腿動脈の狭窄などがあります」
指導医:「この患者さんのABI値からは何が疑われますか」
研修医:「④閉塞性動脈硬化症の可能性が高いと思います」
指導医:「今後、どのような検査を行いますか」
研修医:「⑤ガドリニウム造影MRI検査を予定します」
下線部のうち誤っているのはどれか。
正答率:95%
テーマ:閉塞性動脈硬化症〈ASO〉患者に関する研修医と指導医の対話