116A26

30歳の男性。「3か月くらい前から、仕事の能率が悪いのが気になる」と訴えて産業医面談を希望した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴い、約半年前から会議もオンラインで行う在宅勤務となった。妻と3歳の男児との3人暮らしだが、自宅周囲の騒音や男児の世話のためにイライラして仕事に集中できないという。約1か月前から寝酒を飲んで眠るようになったが、その頃から朝の起床時に気持ちが沈んでいることが多くなった。毎日疲れが残り、気がつくと取り留めなく考え事をしているという。

産業医の対応として適切でないのはどれか。

精神科受診を勧める。
寝酒はやめるように指導する。
本人の同意を得て上司と面談する。
仕事の仕方や内容について詳しく聴く。
感染症の流行が終息するまで辛抱するよう励ます。

解答: e

116A26の解説

【プロセス】
新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、社会の動向は大きく変化した。なかには環境に適応することができず、本患者のようにうつ病や適応障害に至る者も多い。

【選択肢考察】
a 専門家の意見を仰ぐことは重要である。
b 寝酒は睡眠障害の原因となり、現在の病態を悪化させる恐れがある。やめるように指導すべきだ。
c 本人の同意を得た上であれば、上司との面談もやぶさかではあるまい。
d 医療面談における傾聴は問題解決への第一歩だ。
e 誤り。うつ病の可能性が高い患者に対する「励まし」は★禁忌★である。

正答率:99%

テーマ:在宅ワークで仕事に集中できない労働者への産業医の対応

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