115F73

この患者に対して生活習慣の改善の一環として食事指導を行うことにした。
正しい内容はどれか。
ただし、この患者の消費エネルギーは約2,400kcal/日であると仮定し、今後、3か月で約3~4kgの減量を目指すこととする。

総エネルギー量を2,100kcal/日とする。
炭水化物を総エネルギー量の30%とする。
蛋白質を200g/日とする。
脂質を150g/日とする。
食塩を10g/日とする。

解答: a

115F73の解説

【選択肢考察】
a 正しい。消費エネルギーは約2,400kcal/日に対し、食事から摂取する総エネルギー量を2,100kcal/日にした場合、1日あたり300kcalのマイナスになる。これをすでに身体に蓄えられた栄養素から賄うことになる。炭水化物と蛋白質が4kcal/g、脂肪が9kcal/gであるため、300kcalマイナスにすれば1日あたり、300/9〜300/4≒33〜75gの減量に成功する計算となる。ゆえに3か月(90日)間継続できたと仮定すれば、33×90〜75×90=2,970g〜6,750gの減量ができる。これは設問文で提示された3〜4kgと合致するためちょうどよい。
※ダイエットによって炭水化物、蛋白質、脂肪のいずれが減少するか、は食事内容や所要期間、生活習慣、体質など非常にさまざまな要素が関わるため予想が困難。当然ながら理想的なのは脂肪のみが燃焼してくれることだ。上記の計算で脂肪のみが燃焼したと仮定すれば約3kgの減量となる。逆に6〜7kgの減量ができてしまった場合、炭水化物と蛋白質をメインに喪失した可能性が高く、あまり健康的なダイエットとは言えないかもしれない(不健康なダイエットほど体重が減るというのは逆説的で興味深いところだ)。このため設問文では敢えて「約3〜4kg」と3kgに近付けつつも3kgピッタリではない表記にしてあると考えられる。
b 炭水化物:蛋白質:脂質=60:15:25が望ましい。
c 総エネルギー量を2,100kcal/日の15%を蛋白質として摂取することが望ましい。蛋白質は4kcal/gであるため、2,100×0.15÷4≒80g/日程度と算出される。200g/日は多すぎる。
d 総エネルギー量を2,100kcal/日の25%を脂質として摂取することが望ましい。脂質は9kcal/gであるため、2,100×0.25÷9≒60g/日程度と算出される。150g/日は多すぎる。
e 本患者には高血圧症があるため、食塩は6g/日未満とする。

正答率:89%

テーマ:【長文2/3】食事指導の内容

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし