115F48

13歳6か月の男子。「身長が低く思春期の徴候の出現が遅いのではないか」と心配した母親に連れられて来院した。本人によると「最近少し声が低くなったと言われる」という。母親の初経は15歳時であった。身長152cm、体重41kg。外性器は正常男性型で、精巣容積は左右とも正常である。陰茎部にまばらな恥毛が認められる。腋毛は認められない。身長・体重の成長曲線は−1.0SDに沿って成長している。

対応として正しいのはどれか。

経過観察
頭部MRI
成長ホルモンの測定
甲状腺ホルモンの測定
手根骨エックス線撮影

解答: a

115F48の解説

【プロセス】
①13歳6か月の男子
②最近声変わりがみられはじめた
③母親の初経は15歳時
④外性器・精巣に問題なし
⑤陰茎部にまばらな恥毛
⑥腋毛は認めない
⑦身長・体重の成長曲線は−1.0SDに沿って成長
②は平均的には14歳でみられる項目であり正常。⑤は平均的には13歳でみられる項目であり正常。⑥の腋毛は平均的には14歳でみられる項目であり、現時点で認めていなくとも問題ない。⑦から成長率に問題はなく、成長ホルモンや甲状腺ホルモンの分泌低下は否定的。③から家系の影響も疑われるも、④より遺伝子異常や染色体異常に起因する先天性性腺機能障害は否定的。総じて今すぐに何かしらの対応が必要な病的状況とは考えにくい。経過観察とすべきだ。

【選択肢考察】
a 正しい。上記の通り。
b 脳腫瘍による低身長を疑った場合に行う。下垂体腺腫による成長ホルモン分泌低下が代表例だが、冒頭にも示したようにホルモン性の低身長は否定的。
c 冒頭にも示したようにホルモン性の低身長は否定的。
d 冒頭にも示したようにホルモン性の低身長は否定的。
e 骨年齢を把握することができる。成長曲線が−2SDを下回っているような状況で考慮される。

正答率:81%

テーマ:二次性徴が遅いことを心配する親子への対応

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