115F47

53歳の男性。心房細動に対するアブレーション治療を目的として入院した。40歳時に僧帽弁狭窄症に対して機械弁置換術が行われワルファリンが開始となった。48歳時から高血圧症、糖尿病に対して薬物療法が行われている。5か月前に突然動悸を自覚し、定期的に通院している診療所で心房細動と診断された。その後も月に数回、3~5日程度持続する動悸発作が出現した。3か月前および1か月前の外来受診時の心電図でも心房細動が確認されたため、カテーテルアブレーション目的に紹介され入院となった。入院時は心房細動調律であった。入院2日目に行ったカテーテルアブレーションで洞調律に復帰し、入院6日目に退院となった。

退院後のワルファリン治療について正しいのはどれか。

継続して行う。
アスピリンに変更する。
動悸出現時に頓服する。
ビタミンK製剤と併用する。
直接経口抗凝固薬[direct oral anticoagulant〈DOAC〉]に変更する。

解答: a

115F47の解説

【プロセス】
①中年男性
②僧帽弁狭窄症に対しての機械弁置換術が行われワルファリン服用中
③心房細動〈AF〉と診断されカテーテルアブレーション実施
④洞調律に復帰
②よりワルファリンは生涯の内服が必要である。また、たとえ④のようにAFが消失しても、③のアブレーション後は少なくとも3か月間の抗凝固療法が必要となる。

【選択肢考察】
a 正しい。上記の通り。
b アスピリンは抗血小板薬であり、抗凝固薬とは性質が異なるため適応とならない。
c 継続的な服用を指導する。頓用はしない。
d ワルファリンと拮抗してしまうため、逆効果。
e 機械弁置換術後の患者にDOACの適応はない。

正答率:96%

テーマ:心房細動〈AF〉のカテーテルアブレーション後のワルファリン治療について

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