115F45

32歳の女性。市販の妊娠検査薬で陽性となったため来院した。月経周期は20日~60日と不規則で、最終月経開始日は受診日の10週前であった。基礎体温は記録していない。既往歴に特記すべきことはなかった。腟鏡診にて性器出血は認めない。経腟超音波検査にて子宮内に胎児を認め、頭殿長〈CRL〉は14mm(8週0日相当)、胎児心拍数は180bpmであった。

妊婦に対する説明で、正しいのはどれか。

「子宮内感染が疑われます」
「胎児は順調に発育しています」
「流産する可能性が高いと思います」
「入院して安静にする必要があります」
「分娩予定日は最終月経から決定します」

解答: b

115F45の解説

【プロセス】
①32歳女性
②市販の妊娠検査薬で陽性
③月経周期は20日~60日と不規則
④最終月経開始日は10週前
⑤経腟超音波検査にて8週0日相当
⑥胎児心拍数は180bpm
④からは妊娠10週のはずが、⑤では8週と出ている。しかしながら、③より数週のズレは想定の範囲内。週数的に⑥は適正値と言え、正常妊娠と考えられる。

【選択肢考察】
a 妊娠後期に児の心拍が持続的に180bpmだった場合、子宮内感染を疑うことがある。しかし妊娠8週であれば180bpmは正常値であり、問題ない。
b 正しい。正常妊娠である。
c 正常妊娠であり、流産する可能性は高くない。
d 正常妊娠であり、入院による安静は必要ない。
e 本症例のように最終月経情報と超音波所見とが異なった場合、超音波所見から分娩予定日を決定する。

正答率:93%

テーマ:最終月経から見積もる妊娠週数とエコー下での週数が一致しないときの妊婦への説明

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