115E44

検査結果を示す。
検査所見:尿所見:蛋白(−)、糖(−)。血液所見:赤血球450万、Hb 13.3g/dL、Ht 40%、白血球9,800(桿状核好中球2%、分葉核好中球58%、好酸球3%、好塩基球1%、単球8%、リンパ球28%)、血小板18万。血液生化学所見:AST 36U/L、ALT 38U/L、LD 263U/L(基準120〜245)、CK 88U/L(基準30~140)、尿素窒素12mg/dL、クレアチニン0.8mg/dL。CRP 8.2mg/dL。

考えられるのはどれか。

気胸
胸膜炎
大動脈解離
肺血栓塞栓症
ウイルス性心筋炎

解答: b

115E44の解説

【プロセス】
①前駆する咽頭痛と発熱
②左側胸部痛
③痛みは呼吸に伴い増悪
④左下胸部に濁音
⑤聴診で呼吸音の減弱
⑥胸膜摩擦音
⑦III音と心尖部を最強とする全収縮期雑音
⑧心電図所見は前問で解説済み
⑨胸部エックス線写真では心拡大・胸水貯留・ペースメーカーとそのリードを指摘可能
⑩CRP高値
①②③⑥⑩より胸膜炎の診断は難しくない。④⑤は⑨と合わせ、胸膜炎に伴う胸水貯留によるものと考えられる。⑦は僧帽弁閉鎖不全症〈MR〉を考えさせる。心不全や心房細動〈AF〉の背景として想定される。

【選択肢考察】
a 胸部エックス線にて指摘できない。
b 正しい。上記の通り。
c 側胸部痛ではなく、胸背部痛をみるのが一般的。また、発症は突然で、エックス線写真にて縦隔の拡大をみることが多い。
d 発症は突然で、呼吸困難が前面にみられる。
e 前駆する感染は合致するも、心不全症状が前面に出ることが多く、側胸部痛はみない。CKも上昇する。

正答率:95%

テーマ:【長文2/2】胸膜炎の診断

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