115E38

9か月の男児。RSウイルス感染症よる呼吸窮迫とチアノーゼのため入院中である。在胎40週、体重3,250gで出生した。呼吸心拍モニターのアラームが鳴ったため、医師が病室に行ったところ児の顔色不良を認め、気道開通の体位をとった。末梢静脈ルートは確保されていて蘇生のための準備は整っている。心拍数50/分、整。呼吸数10/分。SpO2 60%(酸素テント40%酸素投与下)。呼吸音は両側弱く喘鳴を認める。右上腕動脈の脈は触知した。

直ちに行う処置はどれか。

除細動
胸骨圧迫
アドレナリン静注
吸入酸素濃度増加
バッグバルブマスク換気

解答: e

115E38の解説

【プロセス】
①RSウイルス感染症の乳児
②心拍数50/分
③呼吸数10/分・SpO2 60%
④呼吸音は両側弱く喘鳴
⑤右上腕動脈の脈は触知
⑥蘇生準備OK
②③④より危険な状態と分かる。現時点で直ちに行うべき処置を考える。

【選択肢考察】
a ②⑤より除細動の適応にはならない。
b 「路上で倒れている人を発見した」といった場合に行う、一般的なBLSでは胸骨圧迫が優先される。しかし本症例ではすでにRSウイルス感染症の診断がついており、呼吸原性の可能性が高いため、優先されない。
c 心静止または無脈性電気活動〈PEA〉による心停止時に行われる。
d すでに酸素テント40%酸素投与しているが、SpO2 60%と芳しくない。酸素濃度の問題ではなく、換気不全が原因と考えられるため、有効ではない。
e 正しい。小児の換気不全に伴う心肺機能不全に対しては、バッグバルブマスク換気が優先される。

正答率:91%

テーマ:急変した急性細気管支炎患児に直ちに行う処置

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし